日々の愚痴やゲーム、アニメの感想。たまに二次創作小説な雑記ブログ
Menu...
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- -
学園新聞、未刊行
 
[すべてのものが役に立つ]

sind:フェリシアーノ


エリザさんから逃げるために校舎を無心に走ってた俺達だけど、さすがに(主に俺が)体力も限界に近くて彼女の視界から消える瞬間をねらって教室の中へと逃げこみ鍵をかけた。
なるべく音を立てないように息を整えながらあたりを見回す。慌てて入ったからよく見てなかったけど、月の光にうっすら浮かぶスクリーンとか今は動いてないDVDレコーダーがあるってことはここは視聴覚室かな?


「とりあえず、第三棟にはたどり着いた、かな?」


「あ、ああ…。みたいだな。」


自信なく言ってみたらルートもまわりの機材を見て、頷いた。
イレギュラーな事態にあったけどまだ本来の目的からズレなかったのはまだ救い、問題は。


「つってもあの女どうにかしねーと調べようがねーぞ。」


ギルベルトの言葉に俺達はうなだれるように頷く。
取材の時、エリザさんのことは女の子の話だったから怒られない程度に調べたけど彼女は特定の範囲で行動するタイプではない目撃証言はあちこちからあったし、困ったことに第三棟で見たって人も結構いた気がする。
なのに今の今まで彼女を注意してなかったのは被害にあう対象があまりに特殊だったから。

……あれ?それだけだったけ?


「ちくしょうこれなら俺が図書館班にいきゃ良かったぜ。悪いなルッツ、フェリシアーノちゃん。」


「気にしないでくれ。彼女のことを除外していたのは俺達のミスだ。」


「そうだよ。俺たちこそごめんね〜。」


苦笑しながら謝るギルベルトをルートは笑って許す。
なんでもないことなのに心が痛い。ルートに続けるように俺も声を掛けたけど、ちゃんと言えたかな。
本当にギルベルトのせいでないのは分かってるけどあんなふうに簡単に謝ってしまえるギルベルトが羨ましい。
俺は未だに現状に後悔してみんなにもルートにも謝れないでいるのに、
ごめんなさいって言いたい。だけど今の俺にはそれを言う権利すらないんだ。少しでもみんなの役に立たなきゃ、せめてこの状況をどうにかしなきゃ!


「フェリシアーノちゃん?」


「っ!何?」


いきなり話しかけられて大きな声をだしそうになるのをなんとか抑えてギルベルトの方を向けばぐりぐりと頭を撫でられる。


「ギルベルト?」


「あんまり煮詰まんないでくれよ。二人だけが頼りなんだからよー。」


「俺達が?」


「だって俺、あのフライパン女のこと全然しんねーもん。頼むぜフェリちゃん!」


予想外な言葉にどうしていいか分からなくてルートを見ればルートは何か考えてる時の難しい顔をして呟いた。


「そういえば、フェリシアーノ。風紀のエリザのことは随分熱心に調べていたな。何か対策とか覚えてないか?」


「マジか!なんかないんのかフェリシアーノちゃん!」


「えええええっ!!」


ルートの言葉に必死さすらにじませたギルベルトに詰め寄られ、期待された嬉しさと目の前の恐怖に普段動かさない頭を全力で展開させる。
えーっと、エリザさん。エリザさん。
弱点は、なかったし。嫌いなもの、もない。他はえーーっと、苦手な…ん?苦手・・・。


「アーーっ!」


「うるさい。」


「むぐぅ。」


無意識に大声を出した瞬間ルートに口と鼻をふさがれて呼吸が止まる。わー、ルートの手って予想以上に大きいんだ…。


「どうやら近くに彼女はいないみたいだな。」


「おい、ルッツ大丈夫なら手を離せフェリシアーノちゃん死ぬぞ。」


「なに!?」


ギルベルトのおかげで意識が飛ぶ前にルートの手が離れ、なんとか息をする。


「しっ、じぬかと、思った。」


「すっすまん。」


「んで、フェリシアーノちゃんなんか思い出したのか?」


ギルベルトの言葉で飛びそうになっていた記憶を思い出し俺は自信マンマンに言った。


「あのね、エリザさんは音楽室が苦手なんだ。音楽室なら絶対に入ってこないんだって。」




―――――――――――

久々に書いた。
時間がないので一旦区切ります。
二次創作小説 comments(0)
学園新聞、未刊行
[安全圏の落とし穴]

side:ロマーノ


「なんもねぇ。」


何冊目か既に分からなくなった本をしまって俺はため息をついた。
いや、正確には何もない訳じゃない。調べた本のいくつかには化物の弱点や対策が載ってるものもあるにはあったんだ。
ただ、学校という限られた場所で行えるものがなかっただけで。


「ちくしょう。役にたたねぇ。」


ページをめくりながら呟く。本に対してなのか自分に対してなのか正直分からない。
ただ、イライラしてでも愚痴を呟かなくては不安で押し潰されそうで仕方なかった。


「…アントーニョ。」


預かったペンダントを握り締め先程分かれた馬鹿を思う。
帰って来なかったアーサー達は分からないが今のところあのゾンビ犬のような化物には誰も遭遇していないらしい。
危険な目にあってないことは純粋に嬉しかった。だけどそれと同時に俺の中であってはならない疑問が浮かんでいた。


本当にここは異世界なのか、と。


鏡のことも犬のことも全部勘違いでこのまま後、数時間もすればバリケードの張られた玄関に驚く先公の声が聞こえるんじゃないか。とか、探索にいった奴等が今頃警備員に捕まって叱られてんじゃないか。と、淡い期待を感じた。


「…。」


めぼしい言葉が見つからなかった本をしまい、俺は不意に本棚を眺める。
ここに来てどれくらいこの作業を続けたか分からないが蔵書はまだかなりの量が残っていた。


「なんで、俺がこんなこと…。」


言うつもりはなかった。
ただ、口にしてしまった言葉はどんどん俺の中に苛立ちを積もらせる。


「こんなこと、本当に意味があんのかよ。」


急に阿呆らしくなって俺は踵を返すと図書館の出口に向かって歩きだした。


「ロマーノ、どうしたあるか?」


一階で調べていた王が不思議そうに俺を見る。厄介なのに捕まった。


「帰るんだよ。」


「…はぁっ?」


俺が当然のように答えると王は信じられないようなものを見る目を俺に向ける。


「お前、何言ってるか分かってるあるか?」


「なんだよ。学校から学生が帰んのは普通のことだろうが。」


「今は普通とは違うある。今更何言ってるね?」


子どもをあやすように俺の頭をなで顔を覗き込むようにして尋ねる王にまた苛立ちが募る。


「うっせぇな!普通じゃないなんて誰が決めた!
探索に行った奴等だって別に何ともなく普通に帰ってきたじゃねぇか!」


乱暴に手を振り払うと王は一瞬驚いた顔をした後、表情を消し淡々と言う。


「アーサー達は帰って来てねぇある。」


「そんなのいつものケンカだろ。もしかしたら警備員か先公に見つかって先に絞られてんのかもな。」


「じゃあ、なんで大人はここにこないあるか。探し回ってる連中はともかく我達はずっとここにいるとアーサー達は知ってるあるよ。」


その一言に初めから確証のなかった俺の期待がゆらぐ。


「…フランシスが口止めしてんじゃねぇの?」


「我はお前らの力関係を把握してる訳じゃないあるがフランシスはアーサーに口止めできるような奴にみえねぇあるよ。
だいたい、今の状況なら叱られてでも皆を無事家に帰す確実な選択を選ぶと思うが?」


「…。」


唇を噛んで黙り込む俺に王はため息を溢す。


「信じたくないのも分かるね。だが、重大な役割を担うお前がそんなんでどうするある。
受け入れるよろし。」


「でも…。」


「お前は無駄な希望にすがって仲間が二度と帰られなくなってもいいあるか!!」


驚いて顔をあげた。
台詞の内容もそうだが何より何処か俺達の状況を他人事のように振る舞っていた王がこんな真剣に声を荒げて怒鳴ることが意外でならなかった。


「…王?」


恐る恐る呟くと王は我に帰ったように口を押さえ、咳払いをした。


「すまんかったある。
だが、我が言ったのは事実ね。
希望は持つなとは言わない。ただ見誤らないことある。少なくとも、お前が遭遇した恐怖は夢でも幻でもないね。」


王にそう言われた瞬間、俺は鏡から伸びてきた腕の感触とゾンビ犬の姿が突如リアルに再生され身震いした。
あれが幻覚な訳がない。
ここで一定作業してるうちに俺はあれほどの恐怖を忘れてたって言うのか。


「ごめん、王。
俺、何も見つからないのにイライラして…。」


やっと現状を再認識した俺に王はまた優しく頭を撫でて笑った。


「分かればよろし。
それ以上言うな。」


「ごめん。」


再度謝れば王は満足げに頷いて持ち場へ帰っていく。俺も新たに気持ちを入れ替え元来た道を帰す。

絶対帰る方法を見つけるぞ。みんなのために、助けてくれた王のために!




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

短いですが、自分このシーンは三番目くらいに書きたかったとこです。
そろそろ七不思議もだし始めないとなぁ
- comments(0)
学園新聞、未刊行
[誰がための恩義]


side:フランシス


「…お前が悪いとはいえ、カッとなりすぎた。行くぞ。」


感情のままに走りだしたアーサーを追いかけようとし
ていたら膨れっ面しながらも本人自ら帰ってきた。
色々思うこと言ってやりたいことはあったが、安心のあまり全部飲み込んでしまってタイミングを逃した。
自分の甘さに呆れつつ、アーサーの後ろを歩いているのが現状。
腐れていようが長い縁のある仲だ。ただ単純に頭が冷えたくらいで手の平返すようなやつじゃないことは分かっている。
何を考えてるのかは分からないが警戒だけしとくか。

…ってか、一応、協力者ですよねアーサーさん?
確かに不必要なこと言った言ったのは俺だけど、何が悲しくて味方側まで注意しなきゃなんねぇの俺?

あまりに低い好感度にちょっぴり泣きそうになる。
まぁ、元々アーサーは大体の人間信用してないし。…俺のことはそれに輪をかけて嫌いみたいだけどさ。
昔から見てる世界が狭いんだよ。
だからこそ俺は…。


「…シス。おい聞いてんのか髭!」


「んあ?」


いつの間にか深く考え込んでいたのかアーサーの声で我にかえる。あいつの顔を見ればイラついたように新聞部と書かれたプレートを顎でさす。


「あぁ、着いたんだ。」


「着いたんだ。じゃねぇよ!…たく、鍵開けるから電灯持てよ。」


「へいへい。」


懐中電灯を受け取り鍵穴を照らすとアーサーが鍵を空ける。扉を開けるのと同時に中を照らすが特に変わった物は見当たらない。


「ぱっと見は大丈夫っぽいね。」


「いいから行くぞ。ほら、電灯返せ。」


「分かってるって、引ったくらなくてもいいじゃねぇか。」


乱暴に俺の手から電灯を奪い取り、アーサーはさっさっと前に進む。


「だから先走るなって、もういいわ。」


諦めてゆっくりと部屋に入る。反射的に照明を着けようとするが案の定無反応。月明かりを頼りに中を見回すが特に気になる所も怪しい雰囲気もない。
妙な言い方だがここは穏やかな空気すら感じられた。


「なんか、拍子抜けな感じだな。って、アーサー!何やってんの!」


「っせぇな。
なんか情報あるかもしんねぇだろ。ギャーギャー言ってねぇでテメェも探せ。」


目の前の引き出しの中を照らし物色していたアーサーは鬱陶しげな声に俺は止めるとか叱る以前に目眩を感じた。
なんでこう無防備なのこの子。
怖いもの知らず?自分はオカルト系に耐性あるから大丈夫とか思ってんの?
勘弁してよ本当にっ!!


「アーサー、いい加減に…っ!」




それを見たのは本当に偶然だった。
痛む頭を押さえていた手をのけ、怒りを活力にあけだ顔は勢い余って目標より少し上まで上がってしまった。

結果的にそれが良かった。

何か黒い物体がアーサーの頭上に落ちようとしているのが見えたから。


見開きすぎた眼球の後ろあたりが熱くなるのがぼんやりと分かった。
気づいたら目の前にアーサーがいて、次の瞬間首が外れたかと思うほどの痛みと共に目の前が歪んだ。


「はっ、なっ…!」


どこからかアーサーの声が聞こえる。
吐き気と激痛で手放してしまいそうになる意識を必死にかき集めて呻く。


「だから、言った、じゃん…。」


…って、こんな時にでるのが憎まれ口かよ。
あー、俺カッコ悪っ。もしかしたらこのまま死ぬかもしれないのに。首から上が痛くてなんも考えられねー。
あっ、考えられないこともないか。実際、今考えてんだし。あー、でも死ぬかなー。アーサーだしなー。お兄さん野垂れ死?
まぁ、いっか?俺なしでも生きていけるよなぁ。ちょっと寂しいねぇ…。


「っう?」


上半身が持ち上がる感覚に脳内でのグダグダした思考を一時中断する。
少しばかり引きずられた後、俺の頭は比較的柔らかい物の上にのせられる。感触からして椅子かな?

状況がよく飲み込めなくて無理矢理目を開けると、アーサーがいた。
まさか、俺が目を開けると思ってなかったのかあいつはバツが悪そうにそっぽを向く。


「…寝るならそこで寝ろ。
勘違いするな。調べんのに邪魔なんだよ。カス。」


いや、別にお前から無償の優しさなんて期待してねぇよ。誰に対しての言い訳ですかアーサーさん。

言いたいのに口を動かすのがだるくて止めた。本当に頭痛い。


「俺…。」


「あ?…ああ、お前は俺を庇ってこいつに当たったんだよ。今更だけどよく気絶しねぇな。」


無意識にでた言葉をどう解釈したのかアーサーは俺の目にある物を見せる。
えっと、正式名なんだっけ?セロハンテープの台?
そりゃ痛いわ。下手な石より重いよそれ。


「ふん、にしてもどうしていきなりこんなもんが。」


思い出した痛みに呻く俺を鼻で笑いながらテンプレートな台詞をアーサーは呟く。


「だから、呪いでしょうが。」


少し回復し、頭をあげ答えるとアーサーは胡散臭げな顔をする。が、なんとなしに部屋を見回してその表情を一気にこわばらせる。


「おい、そこにいんのは誰だ。隠れてんじゃねぇよ。」


「なんか、いんのか?」


なんのへんてつもない部屋の一角を睨み付けるアーサーに俺もどうにか体勢を立て直し尋ねる。
するとアーサーは一瞬俺を見たあと思案するように目を細める。

「お前は分かんねぇのか?
…ってことは。」


そこまで呟き、アーサーは警戒を解く。
そして不意に空間を歪めて現れたそれに親しげな声色で話しかける。


「やっぱり、お前か。」


強いて言えば豚に近い醜悪な容姿。俺の半分程の身長、体格の割に合わない大きく鋭い爪が月明かりを反射し、それに対する恐怖心を煽る。


『アーサー、オマエダタノカ。』


「久しいな、ゴブリン。」


今更ながら俺は意識を手放したくなった。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
冬眠終了
久々すぎて話が分からん。
- comments(0)
愛をこめて、花束を
バラを入れた。親愛とちょっとした皮肉を含めて。
アイリスを入れた。博愛を唄う彼の人の愛を分けてもらえる気がして。
デイジーを入れた。勇気が欲しかったから。
ひまわりを入れた。…共通点だから?


ふとした衝撃で作っていく贈り物。手を止めないで心を反芻する思いを感じる。

幼いあなたに導かれることに、弱いのに自尊心の高い私は耐えられず幾度その手を振り払っただろう。
何度も道を間違えて、傷ついて、その度に連れ戻してくれた。

今、会いにいきます。
驚いた顔をして迎えて下さい。それから写真をとりましょう。
昔のまま変わらないあなたと、変われた私を残したい。

やっと気づいたのです。意地をはって夢見た理想より笑い合う今日がずっと幸せなこと。

ありがとう、うれしいです。大好きです!
全部、全部伝えるために会いにいきます。


チューリップを入れた。彼女の優しさを思い出すから。
エーデルワイスを入れた。彼らに背を押してもらうため。
ケンタウレラを入れた。…見ていて、見届けて下さい。
カエデを入れた。忘れない大切な人。
アクレイギアも、そして桜も入れた。
たくさんたくさん詰め込んで不恰好になった花束を両腕に抱えて出掛けます。
どうか笑って受け取って下さい。



愛をこめて、花束を




理由なんて、聞かないで







 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

某曲を聞いてカッとなって書いた。
テンションが可笑しい!
二次創作小説 comments(0)
落ち着いたので
うおー、久々に普通の日記書きます。そして、お久しぶりです。
生まれて初めてバイトを始めたのはいいものの、タイミング悪く時期が祭近くだったこともあり、体力とか時間の配分が分からないままわーわーしてたらこんなことに…。
なんとか区切りをつけて寝不足が解消されたため、この文をしたためているしだいです。
これからまた文章書いていくんで見捨てないで!

ただ、更新は今まで以上に酷くなる可能性大です。
自分勝手ですが懐に余裕できたし、ゲームや本買いたい!ニコ動もプレミアムにしたい!っでそっちにも時間さくからというのが主な理由です。
小まめに見てくれてる方がいらっしゃるなら二週間に一回くらいなら確実に更新しますのでそれを目安にご覧下さい。
では、長々と失礼しました。
- comments(0)
学園新聞、未刊行
[攻撃対象]


第一棟二階、本田達よりも先に廊下に出たギルベルト達は、


「振り切るって、おい!どこまでいきゃいいんだよこれ!」


「分かんないっ!分かんないよぅぅ!!」


「騒いでる暇があるなら走れ!追いつかれるぞ!」


絶賛逃走中であった。

何から逃げているのか何故逃げているのか細かな経緯を説明するため図書館前まで時間を遡ることにする。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side:ギルベルト


「んしっ!じゃあ二番棟までいっか。」


「ああ…。」


「う、うん。」


にかっと笑ってルッツ達を見ればぎこちない返事がかってくる。本田達といる時はまだマシだったが、こいつらまだ職員室でのこと引きずってやがるな。
ルッツが怒る理由は俺にも分かる。責任感じてるとはいえ、今日のフェリシアーノちゃんは無茶が過ぎる。過度の自己犠牲は助けにはならねぇ。混乱が解けないで浮き足立ったままの俺達にとっちゃ尚更。
でも、当のフェリシアーノちゃんが責任感で頭一杯でそれに気付いてないし、口数の少なすぎなルッツはフェリシアーノちゃんに諭しきれてない。今の状態じゃ、まだいい方向にはいかねぇよな。まぁ、一番の大問題はお互いがお互いしか見てなくて第三者である俺様に見向きもしないことだけどな。
チクショウ一人楽しすギルぜー…。


「ん?」


実質空気扱いということに嘆いていると不意に何かが動く気配を感じた。


「兄貴、どうかした…。」


「…、何かい…!」


ルッツに黙るように合図した俺は気配のした方に目を凝らして息を呑んだ。

そこにいたのはいたって普通の人間だった。
大きく膨らんだ胸部と俺達と同じ制服からそいつが学園の生徒で女だと分かる。肩よりすこし長いくらいのウェーブがかった栗毛色の髪は興味ない俺でも綺麗だと思う。
そして、普通の生徒は携帯しない大きめのフライパンは使い込んでいるのか女の右手にしっくりとなじんでいるようだった。
今ので目の前の女が一般より少し外れているのは分かると思う。
だが、何より俺達が驚いたのは女の持ち物じゃねぇ。

女は俺達にはっきりと見えていた。懐中電灯がなければ足元すらおぼろげなこの空間でなんの照明もなく女は見えていた。
なぜなら、女がうっすらと青白い光を帯びていたからだ。


「あっ…ルート、ギルベルト…!」


「とうとう出やがった、てか?」


無理矢理不敵に笑おうとして顔がひきつる。だいたい俺はこういう拳が効かない類いの奴は苦手だ。怖くはない苦手なんだ!
だから極力関わらないようにしてはいたが出会っちまったもんは仕方ねぇ。あっちの様子を見つつ三人で対策を…


「兄さん!」


「!?」



一瞬、何が起こったのか分からなかった。

ありのまま今あったことを説明する。
ルッツが珍しく人前で兄さんとよんでくれた。
そして、
俺がさっきまでいた地面が抉れた。


「うぉあ!…はっ?」


「ギルベルト!大丈夫!?」


不恰好にひっくり返った俺にフェリシアーノちゃんが駆け寄ってくれる。そのフェリシアーノちゃんの愛らしさを近くに感じながらも俺は女から目が離せなくかった。はっきりと殺気を匂わせる女の目から。


「フェリシアーノ、走れ!」


「うん!」


「っお!?」


フェリシアーノちゃんに指示を出し、蛇に睨まれた蛙よろしく固まっている俺を無理矢理立たせてルッツは走り出す。
それに習って走り出した俺の耳に外見相応の可愛らしい声に瞳同様、殺気を込めた口調で女が呟くのが聞こえた。


「…さない。違反者は逃がさない。」


嫌な予感がして振り返ってみるとフライパンを構え直した女が俺達に負けず劣らずのスピードで迫っていた。


「追いかけてきてるぞ!」


「なら、死ぬ気で走れ!どのみち追い付かれたら死ぬぞ!」


「ヴェー!!痛いのイヤだよー。なんでもするから乱暴はやめてぇぇ!」


「はやっ!…おい、待て!今逃げたら本田達が、」

「その心配はない!」


必死に走りながらルッツが俺の不安を一蹴する。確かに女は図書館の方に気を向けることなく一心不乱にこっちに向かってくるけど。


「んで、そんなの分かんだよ!なんか確証あんなのか!?」


「確証!?そんなもの兄さんがいるだけで充分だ!」


「俺ぇ!?」


意外な言葉にすっとんきょうな声を上げるとルッツは前を走るフェリシアーノちゃんに逃げ道を指示した後、俺に言った。


「フェリシアーノ、そのまま階段に逃げろ。
兄さん、よく聞け。彼女は『風紀のエリザ』という七不思議候補の一つだ。普段は学園の風紀を見守る大人しい人物らしい。噂としてもマイナーな部類で調査もしていなかった。」


「んじゃ、その大人しい女がなんでこーなってんだよ!」


走りながら後ろを顎で指す。俺達の後ろを駆ける女もとい、エリザはどう見ても大人しいの部類から逸脱してる。あえて部類に分けたら鬼に近い。


「エリザは、彼女はある一定の条件を満たす者に危害を加えるんだ。」


そこでルッツは少し口ごもる。なるほど、その条件に俺が当てはまる訳だ。制服の違反とかか?まぁ、真面目なルッツとルッツにきちんとチェックされているフェリシアーノちゃん二人の模範的な制服姿に挟まれたら俺が目ぇつけられるのも当たり前か。


「んで、その条件ってなんだよ。対策たてねぇといつまでも走り回れないぜ?」


窮屈なのは嫌いだが背に腹は変えられねぇ。制服の着崩れくらいなら走りながらでも直せる。
そう言って促すとルッツは諦めとか呆れとか色んな表情をいっぺんに浮かべてぽつりと呟く。


「銀髪の不良。」


「…はぁ?」


「だから、銀髪の不良が彼女の攻撃対象なんだ!」


目を少し上にあげてみる。生まれた時からの付き合いである銀色の髪が揺れていた。





………。


「差別だー!!」


「分かったら走れ!どうにかして振り切るんだ!」


階段をかけ上がりルッツが叫ぶ。


「振り切るって、おい!どこまでいきゃいいんだよこれ!」


「分かんないっ!分かんないよぅぅ!!」


「騒いでる暇があるなら走れ!追いつかれるぞ!」



そして冒頭に戻る。






 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


風紀のエリザさん誰か分かったかな?

はい、エリザ姐さん登場ッス!
二次創作小説 comments(0)
学園新聞、未刊行
[期待とお約束]


本田達が外に出てみるとギルベルト達は既におらず辺りは静まり返っていた。


「早いですね。」


「張り切ってるんじゃないのかい?よーし俺達も負けてられないんだっぐえ!」


「一人で先走んな。」


駆け出そうとしたアルフレッドは襟首をつかまれ恨めしげにアントーニョを睨むがそれを無視してアントーニョは本田に話しかける。


「どこから行くん?」


「無難に端から探していこうかと思うのですがどうでしょうか。」


「ええんちゃう。ほな、行くでー。」


「分かったから首から手を離せっ!」


「?」


どこか様子のおかしいアントーニョに首をかしげつつ本田は前を照らしつつ歩き出した。


第一棟は中央を区切って右がヨーロッパクラス、左がアジア組の教室となっている。
今本田達が向かっているのは右、つまりヨーロッパクラスの一階、三年生の教室となる。


「って、なんや。最初は俺らのクラスやん。」


見慣れたクラス表示板にアントーニョは声をあげる。


「そう、なんですか?」


「あぁ、ここが俺とフランのでそっちがギル、職員室にいっちゃん近い手前のんが。」


「あぁ、それなら俺も知ってるアーサーのクラスだろ?」


「よくご存知ですね。」


普段鬱陶しがっている割りに兄の教室を把握していたアルフレッドに本田が感心すると彼は軽く嫌そうな顔をする。


「そりゃ覚えるさ。俺は家からアーサーが教室に入るまでずーーっと小言聞かされてるんだぞ。あそこは言わば地獄の出口なんだ。」


「…あはは。」


あんまりだが当の本人からすれば間違っていない言い分のため本田は苦笑だけ返す。その間にアントーニョが教室の鍵を開け、扉を開ける。


「教室になんや噂もないし、軽く見るだけでええと思うけどな。」


「みたいだね。」


アントーニョの言う通り部屋の中にあるのは整然と並べられた複数の椅子と机。黒板、教卓、掃除用のロッカー等。極々一般的な教室にあるものだ。


「…ん?あれはなんですか?」


怪しい物はなさそうだと簡単に教室を照らしていた本田は生徒用のロッカー付近に妙なものを発見した。


「なんだろ、光ってる?」


「ちゃう。こっちの明かりが写っとるんや。」


そう呟いたアントーニョを先頭に本田達は怪しい何かに近づく。


「これって…。」


「鏡やな。しかもどっかで見たような?」


机などの邪魔なものが払われた先にあったのは二つのそっくりな鏡。
それはひび割れ所々欠けているため本来の役割を行っていなかったが三人にはどこか見覚えのあるものだった。


「!これ、割れてますけど。体育館の会わせ鏡ですよ!」


驚きに声を大にした本田に残り二人もはっとしたように鏡を見直す。


「ほんまや。でもなんでここに?確かに体育館にあったはずやろ。」


見直してみればそれは確かに自分達をこの悪夢の世界に連れてきた元凶。だが、化け物に会うまでは確かに体育館に佇んでいたはずのものがなぜ。っとアントーニョは首をひねる。


「ここがこの七不思議の本当にあるべき場所だからじゃないかい?」


「本当にあるべき場所?」


「菊、言っただろ。会わせ鏡は本当は教室にあったって。多分、ここが会わせ鏡がもとあった教室なんだ。」


「!ほな、この鏡は。」


「恐らく、本物の七不思議じゃないかな。」


推測の範疇を越えていないが初めてそれらしい怪奇現象に遭遇した三人に緊張の色が走る。


「…せやけど。なんも起きへんな。体育館では偉い目におうたのに。」


「また会わせ鏡の間に入れば何か起き、」

「止めて下さい!」

「菊?」


勇ましく鏡に近づこうとしたアルフレッドの腕を咄嗟につかんで本田は静止をはかる。


「いきなりそんなことして取り返しのつかないことになったらどうするんですか!もっとよく考えて行動して下さい!」


「わっ分かったよ…。」


あまりの気迫にアルフレッドが引き腰になったのを確認してようやく菊は彼を解放する。


「せやかて、なんもせぇへんかったら進まへんしな…。ん?」


思案していたアントーニョはふと鏡を見て菊から懐中電灯をひったくり鏡を照らす。


「何かありましたか。」


「なぁ、あれおかしない?」


「はぁ?」


アントーニョが照した割れた鏡のある一点に戸惑った彼らの顔ではなく、微かに開いた扉が写っていた。


「…なんですかあれ。」


三人が困惑していたその時アルフレッドが大声をあげる。


「あーー!!」


「っ!いきなりでかい声だすなや!ビビるやろっ!」


「ななななんですかアルフレッドさん!」


「あれって体育倉庫だよ!ほら、ちらってバスケットボールのカゴが見える。」


「なんやて!」


半信半疑に目を凝らしてみると開いた扉の奥、僅かであるが見慣れた橙色が積み重なっているのが目に入った。


「ほんまや。」


「一体、どう言うことなんですか。」


あれが体育館だということは分かった。だが問題はなぜ鏡の一部だけが体育館を写しているかということだ。
その時、本田が自分でも確認するかのように呟いた。


「もしかしたら、あの鏡に写っているものは私達の現実の世界という可能性はありませんか?」


現実世界。その言葉に二人は息を呑む。


「…まさか。そんなん怪しすぎや。」


「でも、本当にそうだったら俺達帰れるかもしれない。」


微かに見えた希望に胸が高鳴るのを抑えて本田は口を開く。


「問題はあの欠片しか体育館を写しているものがないこと。そして鏡が割れていること。
私達は無理矢理とはいえ、この鏡を通して異世界に入れたのは鏡が私達より大きかったから。あの程度の破片しかも、片側だけでは脱出は不可能でしょう。」


「となると、欠けてる鏡の破片を埋める必要があるね。」


「せやかて、破片どころか塵も落ちとらへんで。」


きょろきょろと足元を見回しながらアントーニョが言う。
それを聞いて本田とアルフレッドも自分の足元に視線を落とすと確かに床は不気味なほど綺麗に掃除されていた。


「ここまで綺麗だと逆にわざとらしくないかい?」


諦めと呆れを同時に顔にだしながらアルフレッドは本田に話かける。


「…ですね。まぁ、王さんの予感的中といったところでしょうか。」


「えーなんなん二人して何が分かったん?」


一人理解出来ないでいるアントーニョが言うと本田はアルフレッドと同じような表情をして説明する。


「まぁ、古今東西全てのゲームにおいてのお約束ですよ。」


「え゛っそれって。」


それなりにゲーム経験のあるアントーニョもその言葉で理解したのか顔を歪ませる。


「はい、帰りたいなら。私達を倒し、イベントアイテムを手にいれろと中ボス様がたからのお達しです。」


「やっぱりかぁ。」


「まぁ、目的が見つかっただけオッケーさ!んじゃ七不思議捜索に戻ろう!」


がくっと肩を落とすアントーニョを励ましつつアルフレッドは懐中電灯を手にとり教室を後にする。
本田達もそれに続いていった。






 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

これはメタ発言になるんでしょうか?

とりあえず、帰宅ルート確保
二次創作小説 comments(0)
現状報告と連載作品の連絡
普通のブログ更新お久しぶりです。

8月後半は色々ありましたが有りすぎて書く気がしなかった。

だれも望んでないでしょうが現状報告。


免許とりました。教習所卒業して2ヶ月たつのに人間やればできるものですね。免許の写真があまりに不細工で(謙遜じゃありません。ガチで)ショックを受けたのが一番の感想です。


今はバイト探しに明け暮れています。千葉までの電車代を稼ぎたい。

大学の成績も帰ってきました。
…これは言わんでよかったですね。

後は昔やってたゲームとかアニメ見返して関連のニコ動みて泣いたりしてます。
子ども向けアニメ重いよ。イナイレ見て今時のアニメはとか思ってたけど私の時代も相当でした。
デジモン無印とかよく考えたら子ども達の家庭環境複雑すぎ。グレイモンかっけーとか言ってた無邪気な私を小一時間説教したい。
おじゃ魔女とか私自身、小学生で受験したから共感できる部分多かったのになぁ。今更じーんと来たりします。

っと長々アニメの話をしましたが、ご覧の通り自分はちまちまダラダラ生存しております。
連載中のホラーのことですが皆様も予想されていたかもしれませんが連載期間を延期させてもらいます。
2ヶ月立っていまだ主要のお化けが一つも出てないのはヤバいとは思いますが経験上焦って書くと挫折することは理解しているので延期しマイペースに書きたいと思います。
結末を楽しみにして下さっている方々どうもすみません。
よろしければ見捨てないでほしいかぎりです。

では、長々と失礼しました。
- comments(0)
学園新聞、未刊行
[こんな時でも]


side:本田


図書館に帰ってみるとルートさん達が机に向かって何事かをしていた。


「おう、帰ったか。」


ギルベルトさんの声で図書館にいた全員がこちらを向く。私達は各々挨拶を返すと同じように机に向かう。そこには束になっていたものを分解したらしい複数の鍵が置いてあった。


「これは?」


「職員室で見つけた。フェリシアーノちゃんのお手柄だぜ。」


まるで自分のことのように誇らしげにギルベルトさんが口にした意外な名前に私達は感心した。


「へー、すごいやんフェリちゃん。」


「ちっとも偉くない!」


「ルートさん?」


アントーニョさんが頑張ったフェリシアーノくんを誉めれば何故かルートさんが怒鳴る。
その目はフェリシアーノをちらりと睨んだ後、怒りの色を消しきれない顔で咳払いをする。
フェリシアーノくんはフェリシアーノくんで困惑しているらしく助けを求めるような眼差しで私とルートさんを交互に見ている。

分かれた後、何かあったのは一目瞭然ですがルートさんは話すつもりはないようですし、ここは話題を変えるのが得策でしょうか。


「鍵が手に入ったのは大きな収穫ですね。第二棟はほとんど施錠されていてろくな探索も出来ませんでしたから。」


「アルフレッドが生徒会室から菓子持ってきたくらいやもんなぁ。」


「くらいってなんだよ。これだって立派な食料だろ。」


憤慨しているアルフレッドさんを呆れたように見た後、ルートさんが鍵を整理しながら言う。


「なら、B班はもう一度第二棟の探索に行くべきだな。第二棟の鍵を纏めよう。」


「あの、そのことなんですが。」


「なにか意見があるのか。」


「はい、第二棟の探索は後回しで構わないかもしれません。」


「どういうこと?」


第二棟の様子を説明すると皆さんは納得したようにうなずく。


「ふむ。では、三番棟を捜索していくべきか。」


今まで手を置いて見えなかった三番棟の見取図を眺めながらルートさんは呟く。


「うおっ、なんか声がすると思ったら帰ってたのかよ。」


「一声かけるよろし。ロヴィーノがビビっ
「ビビってねーよ!!」
…驚いて我を呼びに来たあるよ。」


図書館探索を任せていたお二人が私達に気づいたらしくいくつかの本を抱えやって来る。


「堪忍なぁー。気づいてると思てたわ。」


「そう言えば何も言わずに入って来ちゃってたね。」


不満げなロヴィーノくんにアントーニョさんが謝り、フェリシアーノくんが呟く。
ふと王さんが何かを探すようにあたりを見回す。


「王さん?」


「後二人はまだ帰ってないあるか?」


王さんがアーサーさんとフランシスさんのことを言っていると理解し、そういえば帰りが遅いことに気づく。


「何をしているのでしょうか。」


「大方いつもの喧嘩でもしてるんじゃないのかい?」


「違いねぇ。」


アルフレッドさんの言葉でアーサーさん達の喧嘩の様子がありありと浮かび、誰彼なく苦笑が漏れる。


「仕方ない。本田、俺達は三番棟の探索を開始する。一番棟の探索及びC班の回収を任せてもいいか?」


「了解です。」


苦笑まじりにルートさんからの要請に承諾する。
なんだかギスギスした雰囲気を醸し出していますし、今のルートさん達にアーサーさんとフランシスさんの喧嘩の仲裁は酷でしょうし、アルフレッドさんが後ろで何か言っていますが、今回は無視しますよ。


「そんなに仲が悪いあるか。」


「仲が悪いなんてもんじゃねぇよあいつらは。」


「我にはそうは見えんかったあるが…。」


「お前の目は節穴か。」


不思議そうに首をかしげる王さんにロヴィーノくんは呆れたように突っ込んでいる。


「自分等知らん間にずいぶん仲良うなったんやなぁ。」


「なっ、仲良くなんかなってねぇよ!」


否定はしていますが人見知りの激しいロヴィーノくんにしては随分と打ち解けている印象を私も受けていた。


「王さんは弟さんとかいらっしゃるんですか?」


「んあ?弟はいねーあるが部の後輩に自称弟分ならいたあるね。これが五月蝿くって五月蝿くって…。」


鬱陶しそうにだけどどこか愛しそうに弟分さんについて語る王さんがロヴィーノくんについてしゃべっている時のアントーニョさんとダブって見えた気がして、ああだからか。っと納得してしまった。


「仲良うなんのはええけど取らんといてやー。ロヴィは俺の子分なんやから。」


「別に取ったりしねーある。」


「ってか真顔でなに恥ずかしいこと言ってやがるこのボケ!」


王さんとアントーニョさんのやりとりに真っ赤になっているロヴィーノくんに萌えて、じゃなくて和んでいると疲れたようなため息が聞こえ振り返ると、
話を続けていいか
っと視線で訴えるルートさんがいたので名残惜しみながら私は王さんに話しかける。


「ところで、何か有力な情報は見つかりましたか?」


「なんもねーある。まだ探してないところの方が多いあるがな。」


「では、探索あるのみだな。場所はさっき言った通りに変更だ。異論はないな。」


「OKだよ。アーサーのとこに行かなきゃいけないのはイヤだけどね。」


はっきりイヤだと告げるアルフレッドさんに苦笑しつつルートさんは生徒手帳をしまう。


「ロヴィーノ達は引き続き図書館探索を頼む。」


「おう。」


「次帰ってくる時は一言声かけるよろし。」


「うん、わかった。」


「じゃ、また後でな。」


調子を取り戻しだしたフェリシアーノくんが手をふり、ギルベルトさんが懐中電灯を手に持ち直しルートさん達は図書館をあとにした。


「では、私達も行きしょうか。」


「だね。」


「ほな、行ってくるわロヴィ。」


「おっおう。」


ぎこちなく手をふりかえすロヴィーノくんを横目に私達も図書館の扉を抜けた。


「…カメラを持ってくるべきでしたね。」


「菊。なんか言ったかい?」


多くの萌えポイントにうっかり溢した不謹慎な発言を私はいつもの笑顔で誤魔化した。




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
B班視点はのんびりしてしまう
二次創作小説 comments(0)
学園新聞、未刊行
[闇に犯されて]


side:アーサー


新聞部へ半ば走るように向かう。さっきからイライラが治まらない。フランシスめ、一体どれだけ俺をムカつかせれば気がすむのだろう。
あいつは俺を苛立たせることに関しては天才的だ。
いつもサボるくせにいざとなれば誰よりも上手く立ち回れる所も、なんでも知ってるくせに俺には言わないことも、

それに俺から二人を引き離そうとすることも。


あいつは必要でもないのに逐一、俺にとって嫌な二人の近況を話す。

あいつらが俺なんかいらないんだと暗に言ってくる。


アルは俺の弟で守ってやらなくちゃいけない奴。

本田は俺の親友で守らなくちゃいけない奴。

俺達は三人一緒でアルも本田も俺は必要不可欠で、二人にとっても俺が必要不可欠。
それが俺の全てなのに。


『いい加減、弟離れしたら?』


五月蝿い。


『菊ちゃん?フェリシアーノと歩いてんの見たぜ。あの子もだいぶ馴染んできたよな〜。』


黙れ。


『なぁ、アーサー。
お前だって気づいてんだろ。アルフレッドと菊ちゃんはな…。』


「黙れ黙れ!黙れ!!」


頭に響く奴の声を振り払う。
考えない、信じない!

俺の弟と親友なんだ一緒にいて当然だろ?二人きりでいた?俺だっていつも三人って訳じゃない!
憎らしい口きいたってアルが俺より大切な奴を作る訳がない。
本田が俺を裏切って俺以外を好きになるわけない。

二人がいなくなったら俺には何も残らない。それを知ってるはずなのにどうして。

あいつは俺から何もかも奪おうとするんだろう。


ムカつく、イライラする、腹立たしい、妬ましい、憎らしい、憎い。憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!!



渦巻く憎悪に吐き気がする。ああ、あいつが憎い。俺のほしいもの全部持ってるくせに、俺から全てを奪うあいつが!


「…お前なんかいらない。」


俺を下げずむその他はどうでもいい。
あんなのいちいち気にしてたらきりがないし、害なんかあってないようなもんだ。

だがな、フランシス。お前だけはもう視界に入れるのも耐えられねぇよ。

今は非常事態。何が起こったって不思議じゃない。そう、例えば誰か一人、助からない奴がでたところでそれは不幸な事故だよな?


「お前は帰さない。」


なぁ、フランシス。味わってくれよ。
自分とは違う奴らの中で生きる気持ちを。ただ一人、孤独に生きなきゃならなかった奴の気持ちを。


「お前だけ、ここで生きればいいんだ。」


新聞部まで後数歩のところで俺は踵を返す。

ゆっくりと歩きながら呼吸を整える。
さっきまでの怒りがすぅっと消えていき頭がどんどん冷静になっていく。


まずは仮面をつけろ。仏頂面にほんの少しの申し訳なさを混ぜて。
次に考えを纏めろ。ごちゃついたままじゃ成功しない。


「アルフレッド、本田ごめんな。」


お前らと帰るって目的を忘れたわけじゃない。
ただ、もっと大事な目標ができちまった。


「そう言えば、七不思議に加えてやるって体育館で言ったけな。」


有言実行、上等じゃねぇか。

覚悟しとけよフランシス。
怪物共なんかにゃ任せねぇ。
お前は俺が殺してやる。


月だけが照らす廊下で俺は邪悪な笑みを仮面の下に隠し、獲物に向かって歩きだした。





 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


当初の予定ではこんなシーンなかったのにね。
アーサーさん、フランシス兄さん嫌いすぎだよぅ。
二次創作小説 comments(0)
: 1/17 : >>
menu...



Log in
material by
MILKCAT  template by NoIndex
(C) 2018 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.